年末年始の風物詩として日本全国各地で行われる餅つき大会。当店も餅つき屋として年間300本以上の出張餅つきをこなしています。
老若男女問わず、どなたでも楽しめて、つきたての美味しいお餅を食べられる人気イベントですが、
屋外での実施や手を使った調理工程が多いことから、ノロウイルスなどの食虫毒リスクも同時に孕んでいます。
そんなノロウイルス直中毒を回避して、楽しい餅つき大会を行うためにノロウイルスの基本的な情報と原因を学び、予防法を考えていきましょう。
年末年始といえばお餅つき!楽しい楽しいお餅つき大会
そこで起こってしまうのがノロウィルスによる集団食中毒。最悪、死に至りとても危険です。
餅つきで悲惨な集団食中毒を出してはいけません。食中毒撲滅!!
江戸餅つき屋によりノロウィルス被害が少しでも少なくなることを祈り、対策と取り組みの動画を作成いたしました。
自前でやる場合にはとても参考にできると思いますので、役員の皆様でしっかりと視聴し、衛生対策に取り組んでください。
ノロウイルスは乳幼児から高齢者に至る広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルスです。この感染症は11月から3月の主に冬季に多発しますが、年間を通して患者はみられます。少量のウイルスでも発症し、感染力のとても強いウイルスとして、集団生活の場で感染が広がりやすいといえます。
感染すると1~2日で発症し、吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを引き起こします。発熱しますが、高熱になることはあまりありません。通常これらの症状が1~2日続いた後自然に回復しますが、抵抗力の弱い高齢者や子供の場合は入院が必要になるなど、重大なことにもなりかねません。
栃木県内の宇都宮市内で行われた少年野球チームの餅つき大会にて発生。小学生とその保護者ら60名の参加者中少なくとも35名に食虫毒の症状がみられた。内10名の便を検査した結果、全員からノロウイルスが検出された。
青森県の弘前市内で行われた小学校の餅つき大会にて発生。児童、教員、保護者ら40名に食虫毒の症状がみられた。同校は患者数の多い2クラスを4日間学級閉鎖した。
なぜ餅つき大会で食虫毒が発生するのか?まずは原因を正しく理解することが重要です。
餅つき大会は数百名規模の大人数で行う行事です。当店にご依頼いただく餅つき大会も100名以上がほとんど。中には500名を超える規模の大会もあります。規模が大きくなれば関わる人も自ずと増え、衛生管理が難しくなります。
ついてる餅をひっくり返す作業や、つき上がった餅を切る作業など、餅つきには手で触れなければならない作業が多数発生します。また作業は分担され、複数の人で行われる為、餅にウイルスが付着する機会が増えてしまいます。
杵と臼が代表的な餅つき道具ですが、それらは大抵餅つき大会以外は倉庫にしまわれています。十分な殺菌・洗浄が行われないと菌が付着したまま、餅つきが行われることになります。
つかれた餅は大抵の場合、あんこやきな粉などのトッピングを付け、生で食べられます。餅に限らず食材を生で食べることは食虫毒の可能性を高めることになります。
原因がわかれば、後は対策です。適切な予防法を考えていきましょう。
事前に餅に触れる人を決めてしまいます。規模にもよりますが、200名程度の餅つきであれ5名程度で十分です。
餅に触れる作業は大まかにもち米を蒸す作業、ついてる餅をひっくり返す作業、つき上がった餅をちぎる作業の3点です。
杵で餅をつく作業は餅に触れることになりませんから含まれません。
手洗いをこまめに行いましょう。作業前やトイレに行った後の手洗いは特に重要です。よく泡立てながら、ブラシなどでゴシゴシ擦れると効果的です。また杵と臼、水桶は直前に熱湯をかけ、殺菌処理します。臼は穴の中だけでなく淵の部分も。杵はつく面のみ熱湯に浸けておけば問題ありません。
またテーブルは
ノロウイルスは85~90℃で90秒以上加熱することで死滅します。お雑煮やおしるこにして、加熱調理することでノロウイルスのリスクを軽減させることができるでしょう。
ついた餅とは別に衛生環境の整った屋内の調理場で餅つき機などを用い、食事用の餅を作ります。衛生環境に不安がある屋内や集団での調理に比べ、安全性は格段に高まるでしょう。ついた餅はのし餅にして参加者に振る舞うと喜ばれます。
ノロウイルス感染症はとても危険なウイルスです。当店も多数の餅つき大会をこなす中で”まさか自分の町内会の町内会でノロウイルスが発生するはずがない”とお考えであろうと思われるようなお客様も散見されます。ウイルスに対する危機意識をもち、適切な予防法を学ぶことで楽しく安全な餅つき大会を行えるようにしましょう。
「もっと詳しく知りたい!」や「実際にサポートして欲しい!」などの要望があれば、お気軽に下記よりご相談ください。